2020年2月24日

新型コロナウイルス感染症への対応(第5報)

 新型コロナウイルスの感染拡大が連日、報じられています。2月24日現在の日本の状況は「感染蔓延期」の直前です。水際対策や封じ込めを狙う時期はもう過ぎました。ウイルス伝達の経路を追えない感染者が増えていますし、それに伴い小児の感染者も増えています。この先「市中感染」として、2〜3ヶ月間の流行が続くと予想されます。このような非常時こそ、冷静を保ち「油断せず、恐れ過ぎず」を心がけるべきで、そのための方策を一緒に考えていきましょう。

2020年2月17日

改訂版(2月27日):日本小児科学会「小児における新型コロナウイルス感染症に関するQ&A」

 日本小児科学会の予防接種・感染症対策委員会が「小児における新型コロナウイルス感染症に関するQ&A」を作成しました。第一版(2月12日)に続く第二版です。ご参考になさってください。

2020年2月16日

新型コロナウイルス感染症への対策(第4報)

 新型コロナウイルス感染症が新たな局面に入りました。これまでの感染者は渡航歴や接触歴を明確に把握できていましたが、2月13日以降、誰からウイルスをうつされたか分からない(感染経路を追えない)事例の報告が相次いでいます。米国疾病対策センター(CDC)は、「この疾患の範囲は当初の想定よりもはるかに広い。無症状の人からも感染する可能性がある」とコメントしました。水際対策の段階はすでに終わっており、今後は「市中感染」としての拡大をどれだけ食い止めるか、重症化しそうな人をどれだけ適切に治療できるか、に焦点が移ると思われます。2月15日時点の最新情報をお伝えいたします。

2020年2月12日

新型コロナウイルス感染症への対策(第3報)

 新型コロナウイルス感染症に関する最新情報をお届けいたします(2月12日時点)。
・潜伏期は1〜12.5日(平均5.2日)
・感染力は季節性インフルエンザと同等(1人の感染者から1.4〜2.5人に拡散)
・病原性は季節性インフルエンザ相当か、それよりもやや強い。軽症から重症まで幅広いが、軽症者が多い。無症状で終わる場合もある
・症状の特徴は1週間ほど続く風邪症状(微熱、咳、倦怠感)。そのまま治る人と1週間後に呼吸困難を生じて肺炎に進む人がいる。肺炎を発症しても重篤な状態に至るケースは多くないが、高齢者や持病のある人では注意が必要で、日本においても複数名の重症肺炎が報告されている
・中国ばかりで死亡率が高い理由は不明。十分な医療を受けられない、重症者だけが検査診断されている(軽症者は検査を受けられず見逃されている)、などの理由があげられる
・感染経路は飛沫感染と接触感染。空気感染はない

2020年2月8日

幼稚園・保育所における感染症対策2

 前回のコラムで幼稚園・保育所における感染症対策の難しさを述べました。免疫能の発展途上にある乳幼児において、一日を通して衣食住を共にする園内で、病原体をうつされて風邪をひくことは日常茶飯事です。幼稚園・保育所で感染症の流行を百パーセント阻止することは不可能と言わざるを得ません。個々の感染症の特性を理解した上で適切な対処がなされればよいのですが、医学的な根拠に欠ける不適切な指示が出されて保護者と園児が「無駄な努力」を強いられる場面に遭遇することもあります。実例をあげましょう。

2020年1月24日

幼稚園・保育所における感染症対策1

 子どもたちが集団生活を送る幼稚園・保育所には、様々な病原体(細菌、ウイルス)が持ち込まれ、それに起因する感染症がしばしば流行します。園のスタッフは対応に追われ、気苦労は相当なものであろうと推察します。感染症を発症した園児を隔離し登園停止にする措置は、感染の拡大阻止の基本中の基本です。しかし隔離と登園停止だけで感染症の蔓延を防ぐことはできません。幼稚園・保育所における感染症対策の難しさについて解説します。