前回のコラムで、アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用薬の有効性と安全性を述べました。もう少し具体的に使用量を説明しますと、小児で、中等度から弱めのステロイド外用薬を1日1本まで、4週間以内であれば、副作用が現れることはまずありません。実際にそんなに長く多く使うことはなく、乳児で3〜5日間、幼児で1週間きちんと塗れば、皮膚炎は改善し、以後は使用量を減らすことができます。もし変化がないとしたら、薬が弱すぎるか、副作用を恐れるあまり使用量が足りていないか、いずれかです(後者が多いと思われます)。ステロイド外用薬で早期に強力に治療し改善したら減量・中止する、その後は保湿剤などで良好な状態を維持する … これがアトピー性皮膚炎に対する治療の基本です。効果が不十分な薬をだらだら塗るよりも、しっかり効く薬を塗ってさっさと終わらせましょう。