花粉症は戦後に初めて報告された新しい病気です。それが今や、国民の25〜30%が罹る病気になってしまいました。子どもの花粉症も増えています。2008年に行われた全国アンケート調査では、スギ花粉症の有病率は、0〜4歳で1.1%、5〜9歳で13.7%、10〜19歳で31.4%でした。10年前の同じ調査では0〜4歳で1.7%、5〜9歳で7.2%、10〜19歳で19.7%でしたので、5歳以上で1.5〜2倍増加していることになります。
2024年2月28日
2024年1月27日
風邪の治療に咳止め薬は不必要 !?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が5類感染症に変更された昨年5月以降、通常の(季節性の)風邪やインフルエンザが長々と流行し、COVID-19も消え去ることはなく、そのため風邪薬の需要が著しく増加し、「咳止め薬がなくなった」「抗菌薬がなくなった」といった欠品騒動が頻発しています。しかし、咳止め薬がなくなったことで困った子どもたちを見ることはほとんどありません。風邪の治療に咳止め薬は本当に必要か? 今回のコラムでは咳止め薬について考えてみます。
2023年12月20日
アデノウイルス感染症
アデノウイルス感染症が本年9月以来、主に乳幼児の間で流行しています。過去10年間で最大規模です。今回のコラムでアデノウイルスについて解説いたします。
アデノウイルスには51の血清型があります。種類が多いため、様々な部位に感染し、様々な病型があり、一度のみならず二度、三度と感染します。いずれのウイルスも、便や飛沫や直接接触により感染します。コロナ禍の3年間、流行が抑えられていたことから、手洗いやマスクは感染防止に有効と考えられます。ウイルスを受け取ってから症状が現れるまでの潜伏期間は5〜7日です。
2023年9月24日
インフルエンザの大規模流行に警戒を
インフルエンザが異例の早さで流行入りしました。2023年第37週(9月11〜17日)時点で、神奈川県における1医療機関あたり1週間のインフルエンザ患者数は9.37人です。流行入りの目安が1 週間に1人、注意報レベルが1 週間に10人、警報レベルが1 週間に30人ですので、注意報レベルまであと一歩のところまで来ています。当院でも8月最終週から感染者が徐々に増え始め、直近の第38週(9月18〜24日)の1週間で注意報レベルを大きく超えました。大和市域の複数の小中学校と高校で集団感染が発生しています。今後いっそうの警戒が必要です。
2023年5月31日
咳止めシール? 一発で効く薬?
今回は薬に関するコラムです。誤解・誤用されがちな薬二点について解説いたします。
[1] 咳止めシール?
風邪をひいて咳をしている子どもの親御さんから「咳止めシールを貰えますか」と頼まれることがあります。「咳止めシール」と称される薬はホクナリンテープ(ツロブテロール貼付剤)です。貼るだけで済むので、薬を飲みたがらない子どもに重宝します。しかし鎮咳薬(咳止め)ではありません。喘息(または気管支炎)に対して気管支拡張薬として使用する薬です。
2023年5月4日
新型コロナ感染症:子どもの後遺症は3.9%
国内で新型コロナウイルスに感染した子どものうち、発症から1ヶ月以上たっても症状が残る割合が3.9%だったことをが、日本小児科学会の研究班から5月1日に発表されました。対象となった人は、2020年2月から2023年4月11日までにデータが集められた20歳未満の4606人です。このうちの181人に後遺症が認められました。主な症状は、発熱(30%)、咳(30%)、嗅覚障害(18%)、倦怠感(17%)、味覚障害(15%)、腹痛(9%)、頭痛(8%)、下痢(8%)、嘔気(6%)でした。数は少ないものの、筋肉痛、胸痛、意識障害、うつ状態の報告もありました。
2023年3月19日
アレルギー性鼻炎を治す舌下免疫療法(再掲)
スギ花粉の飛散がピークを迎えています。全年齢層におけるスギ花粉症の有病率が38.8%に達している現在(2019年全国調査)、鼻水やくしゃみに悩まされている方も多いのではないでしょうか。子どももその例外ではありません。2020年11月にホームページにアップしたコラムを一部改訂して再掲いたします。