2023年1月3日

過剰なブルーライトは睡眠を妨げる

 夜眠れない、朝起きられない、学校に遅刻する(または行けない)などを訴えて来院する子どもたちが増えています。さまざまな理由が考えられますが、過剰なブルーライトへの曝露が原因の一つかもしれません。ブルーライトがもたらす睡眠への影響について解説いたします。

2023年1月1日

新型コロナウイルス感染症の最新動向(2023年1月)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生から約3年が経過しました。ウイルスの猛威が続く一方で、感染対策の緩和が徐々に進められています。2023年の動向を予想してみます。

 厚生労働省は昨年1221日、COVID-19の重症化率と致死率の最新データを公表しました。6070代の年齢層において、オミクロン株が流行した第7波(202278月)の致死率は0.18%で、デルタ株が流行した第5波(2021710月)の1.34%、オミクロン株に置き換わった直後の第6波(202212月)の0.70%に比べて大きく低下しました。インフルエンザの致死率0.19%とほぼ同等です。重症化リスクが最も高い80代以上の年齢層においても、COVID-19の致死率は1.69%に低下しました(第5波で7.92%、第6波で4.57%)。こちらもインフルエンザの致死率1.73%とほぼ同等です。ただし、COVID-19とインフルエンザのデータは異なる対象者を見ているため、単純に比較して「両者が同等」と結論づけることはできません。

2022年11月27日

抗原定性検査キットの適切な使用法

 新型コロナウイルス感染症のセルフチェック用に、抗原定性検査キットが市販されています。医療機関に受診しなくても感染の有無が分かるため、利用される方は多くいらっしゃると思います。しかし、検査は万能ではありません。感染しているのに検査で陰性となる「偽陰性」、感染していないのに検査で陽性となる「偽陽性」があることに注意が必要です。特に日常診療の現場では、偽陰性に惑わされるケースをしばしば見かけます。自宅で検査したら陰性だったけど、医院で再検査したら陽性だった、という経験を持たれる方も多くいらっしゃると思います。

2022年9月19日

健康リテラシーを身につけよう

 リテラシーという言葉があります。原義は「読み書きの能力」ですが、転じて現代では「知識や理解を有効に活用する能力」と訳されます。情報リテラシー、ITリテラシー、金融リテラシーなどさまざまな分野がありますが、今回のコラムでは健康リテラシーについて解説いたします。健康リテラシーとは、「健康や医療に関する正しい情報を入手し、適切に理解し活用する能力」です。健康リテラシーを高めることは、病気の予防や健康の保持につながります。

2022年6月24日

インフルエンザの流行 今年はどうなる?

 新型コロナウイルス感染症の流行が2020年の初頭に始まって以来、インフルエンザは鳴りを潜めたままです。当院においても20203月を最後に、インフルエンザの患者さんを一人も診ていません。インフルエンザが激減している理由として、(1) マスクや手洗いなど感染予防対策が徹底されている、(2) 国際的な交流が減って海外からの持ち込みがなくなった、(3) 異なるウイルス同士で感染を阻害する「ウイルス干渉」があった、などが考えられています。過去2年間インフルエンザが流行しなかったことは喜ばしいですが、その反面として、免疫の保有率が大幅に低下していることが懸念されます。

2022年5月5日

魅力的な乳幼児健診を目指して

 乳幼児健診は、(1) 子どもの健康保持と増進、疾患の早期発見、(2) 育児にいそしむ親御さんの支援、の二つを主な目的としています。大和市内に住む子どもたちの乳幼児健診の実施時期は、生後4ヶ月、8ヶ月、16ヶ月、36ヶ月です。いずれも公費(無料)で受けられます。4ヶ月児と36ヶ月児は大和市地域医療センターにおける「集団健診」、8ヶ月児と16ヶ月児は当院を含む協力医療機関における「個別健診」の方式が採られています。本稿では、当院で行っている8ヶ月児健診と16ヶ月児健診について解説いたします。

2022年2月2日

新型コロナ:子どもへの感染拡大とワクチン接種 (2月6日 追記)

 新型コロナウイルスのオミクロン株による第6波で、子どもの感染者が急増しています。オミクロン株の特徴の一つは感染力の強さです。デルタ株の35倍とされています。家庭内にひとたび持ち込まれると、子どもにも容易に感染します。ただしオミクロン株は、症状が概して軽いことが特徴です。重症化率は、デルタ株が0.18%、オミクロン株が0.05%と推定されています。当院で診療した子どもたちにおいても、大半は軽症です。主な症状は、12日間の発熱、頭痛、倦怠感、咽頭痛です。腹痛を訴える子どももたまにいます。激しい咳、呼吸困難、全身衰弱などの重い症状はほとんど見られません。普通のかぜと見分けがつかないくらいです。わが子がぐったりしていなければ、保護者は過度に不安を抱かなくてもよいでしょう。新型コロナウイルス(オミクロン株を含めて)の治療は対症療法にとどまります。抗菌薬は効きませんし、経口治療薬(モルヌピラビル)は今のところ子どもへの適応がありません。唯一つ有効と思われる治療法は、免疫系を適度に活性化する漢方療法です。発熱の期間を約半分に短縮することが期待できます。当院は苦い薬を頑張って飲める子どもに対して漢方薬を使用しています。