わが国の成人男性の約半分、成人女性の約五分の一が、メタボリック症候群といわれています。メタボリック症候群とは、「内臓脂肪型肥満」に加え、「高脂血症」「高血圧」「高血糖」のうち二つ以上を持つ状態をいいます。肥満、高脂血症、高血圧、高血糖はそれぞれ動脈硬化の危険因子ですが、これらが単独で存在するよりも、それぞれが軽度であっても重複して存在する方が危険である事実にもとづき、新しく確立された疾患概念です。動脈硬化による病変は、狭心症、心筋梗塞などの心疾患(日本人の死因第二位)と脳出血、脳梗塞などの脳血管疾患(第三位)の原因になります。