[1] 血液型とは何でしょうか?
人間の体内を流れる血液は、1) 全身に酸素を運ぶ赤血球、2) 病原体などの異物から身を守る白血球、3) 出血を止める血小板、4) 液体成分の血漿、からできています。私たちにとってなじみの深いABO式血液型は、赤血球の表面に突き出た糖鎖の違いによりA、B、O、ABの4型に分類する方式です。赤血球の血液型はABO式の他にも、Rh式、MN式、ルイス式、P式、ダフィー式など数通りの分類法があります。さらに血液型は赤血球だけに限らず、白血球、血小板、血清にもあります。
輸血の際にとりわけ重要な血液型が、赤血球のABO式とRh式です。型が合わないと、輸血した赤血球が壊されて溶血する危険があります。また、臓器移植に重要な役割を演じるのは白血球の血液型(HLA)です。型が合わないと拒絶反応を起こします。血液型は、他人の血液や臓器を自分が受け入れられるかどうかの判定材料として用いられます。