花粉症は戦後に初めて報告された新しい病気です。それが今や、国民の25〜30%が罹る病気になってしまいました。子どもの花粉症も増えています。2008年に行われた全国アンケート調査では、スギ花粉症の有病率は、0〜4歳で1.1%、5〜9歳で13.7%、10〜19歳で31.4%でした。10年前の同じ調査では0〜4歳で1.7%、5〜9歳で7.2%、10〜19歳で19.7%でしたので、5歳以上で1.5〜2倍増加していることになります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が5類感染症に変更された昨年5月以降、通常の(季節性の)風邪やインフルエンザが長々と流行し、COVID-19も消え去ることはなく、そのため風邪薬の需要が著しく増加し、「咳止め薬がなくなった」「抗菌薬がなくなった」といった欠品騒動が頻発しています。しかし、咳止め薬がなくなったことで困った子どもたちを見ることはほとんどありません。風邪の治療に咳止め薬は本当に必要か? 今回のコラムでは咳止め薬について考えてみます。