細菌性髄膜炎(以下、髄膜炎)は恐ろしい病気です。普段は鼻や喉にいる細菌が血液に侵入することがあり、それが脳を包む髄膜に取り付くと、最終的には脳そのものに病気を起こします。髄膜炎を発症すると、医学の進んだ現在においても、死亡率3〜5%、後遺症率20〜25%という厳しい数字が並びます。髄膜炎を防ぐワクチンが導入される前の日本では、一年間に約千人の子どもが髄膜炎に罹っていました。そのうち、ヒブによる髄膜炎が約600人、肺炎球菌による髄膜炎が約200人。二つの細菌による髄膜炎で亡くなる子どもが約50人いました。