2022年6月24日

インフルエンザの流行 今年はどうなる?

 新型コロナウイルス感染症の流行が2020年の初頭に始まって以来、インフルエンザは鳴りを潜めたままです。当院においても20203月を最後に、インフルエンザの患者さんを一人も診ていません。インフルエンザが激減している理由として、(1) マスクや手洗いなど感染予防対策が徹底されている、(2) 国際的な交流が減って海外からの持ち込みがなくなった、(3) 異なるウイルス同士で感染を阻害する「ウイルス干渉」があった、などが考えられています。過去2年間インフルエンザが流行しなかったことは喜ばしいですが、その反面として、免疫の保有率が大幅に低下していることが懸念されます。

2022年5月5日

魅力的な乳幼児健診を目指して

 乳幼児健診は、(1) 子どもの健康保持と増進、疾患の早期発見、(2) 育児にいそしむ親御さんの支援、の二つを主な目的としています。大和市内に住む子どもたちの乳幼児健診の実施時期は、生後4ヶ月、8ヶ月、16ヶ月、36ヶ月です。いずれも公費(無料)で受けられます。4ヶ月児と36ヶ月児は大和市地域医療センターにおける「集団健診」、8ヶ月児と16ヶ月児は当院を含む協力医療機関における「個別健診」の方式が採られています。本稿では、当院で行っている8ヶ月児健診と16ヶ月児健診について解説いたします。

2022年2月2日

新型コロナ:子どもへの感染拡大とワクチン接種 (2月6日 追記)

 新型コロナウイルスのオミクロン株による第6波で、子どもの感染者が急増しています。オミクロン株の特徴の一つは感染力の強さです。デルタ株の35倍とされています。家庭内にひとたび持ち込まれると、子どもにも容易に感染します。ただしオミクロン株は、症状が概して軽いことが特徴です。重症化率は、デルタ株が0.18%、オミクロン株が0.05%と推定されています。当院で診療した子どもたちにおいても、大半は軽症です。主な症状は、12日間の発熱、頭痛、倦怠感、咽頭痛です。腹痛を訴える子どももたまにいます。激しい咳、呼吸困難、全身衰弱などの重い症状はほとんど見られません。普通のかぜと見分けがつかないくらいです。わが子がぐったりしていなければ、保護者は過度に不安を抱かなくてもよいでしょう。新型コロナウイルス(オミクロン株を含めて)の治療は対症療法にとどまります。抗菌薬は効きませんし、経口治療薬(モルヌピラビル)は今のところ子どもへの適応がありません。唯一つ有効と思われる治療法は、免疫系を適度に活性化する漢方療法です。発熱の期間を約半分に短縮することが期待できます。当院は苦い薬を頑張って飲める子どもに対して漢方薬を使用しています。

2022年1月2日

ワクチンデビューは生後2ヶ月 〜改訂版〜

 子どもは風邪に何度もかかることにより、さまざまな病原体(ウイルス、細菌)に対する抵抗力(= 免疫)を獲得していきます。風邪は子どもの成長過程において避けられないものといえます。しかし病原体の種類によっては、風邪にとどまらず、生命が危機に曝されたり後遺症が残ったりする重病に進展してしまうこともあり得ます。そのような危険な病原体から子どもを守るために行われる医療がワクチン接種です。ワクチンとは、病原体を精製・加工することで病原性(毒性)を弱めたり無くしたりして、身体にとって安全な状態にした薬です。病気にかかる前にワクチンを体内に入れて、その病原体に対する免疫を作ってしまおうという仕組みです。

2022年1月1日

新型コロナウイルス感染症の飲み薬 国内初承認

 新型コロナウイルス感染症の飲み薬(モルヌピラビル。商品名 ラゲブリオ。メルク社)が20211224日に国内で正式承認されました。本剤はRNAポリメラーゼ阻害薬として、細胞内に侵入した新型コロナウイルスの増殖を抑える作用を有します。海外での臨床試験では、入院や死亡のリスクを約30%低下させる効果が確認されました。30%というと何となく微妙な数字に感じられるかもしれませんが、死亡例に限ると、全対象者1433人のうちモルヌピラビル群で1人(0.1%)、プラセボ(偽薬)群で9人(1.3%)であり、それなりに良好な成績と言えます。