2022年5月5日

魅力的な乳幼児健診を目指して

 乳幼児健診は、(1) 子どもの健康保持と増進、疾患の早期発見、(2) 育児にいそしむ親御さんの支援、の二つを主な目的としています。大和市内に住む子どもたちの乳幼児健診の実施時期は、生後4ヶ月、8ヶ月、16ヶ月、36ヶ月です。いずれも公費(無料)で受けられます。4ヶ月児と36ヶ月児は大和市地域医療センターにおける「集団健診」、8ヶ月児と16ヶ月児は当院を含む協力医療機関における「個別健診」の方式が採られています。本稿では、当院で行っている8ヶ月児健診と16ヶ月児健診について解説いたします。

 8ヶ月児健診の対象は、生後810ヶ月の乳児です。健診の内容は、 身長、体重、頭囲の計測、成長曲線との照合、② 月齢に相当する精神発達と運動発達の評価、③ 神経学的所見を含む全身の診察(視覚スクリーニング検査も合わせて行います)、④ 栄養、生活習慣、事故防止に関する助言と指導、⑤ 予防接種の確認と助言、⑥ 育児に関する “よろず相談” です。810ヶ月の赤ちゃんは、お座りやハイハイやつかまり立ちができるようになり、小さいものを手に取って口に入れようとし、人見知りや人まねをしたり喃語を盛んに発したりするようになります。また、離乳食が滞りなく偏りなく進んでいるか、睡眠と覚醒のリズムができているか、事故防止のための対策がとられているか、予防接種が順調に進んでいるか、などを伺います。親御さんが普段気になっておられることがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。親御さんの不安や悩みを解消し育児を支援することも、乳幼児健診の大切な役割の一つです。

 16ヶ月児健診の対象は、168ヶ月の幼児です。健診の内容は、8ヶ月児健診とほぼ同じです(視覚スクリーニング検査は未実施の方に行います)。16ヶ月の子どもは、転ばないで上手に歩けて、意味のある単語を話すようになります。小さいものを指でつまみ、スプーンや鉛筆などの道具を使うようにもなります。もしも単語がまだ出てこなくても、親御さんの言葉を理解して、自分の意思を言葉以外の手段(身振り手振りや表情)で伝えようとしていれば、まず問題はないでしょう。また、離乳が完了しているか、歯の手入れができているか、好ましい生活習慣が身に付いているか、事故防止のための対策がとられているか、予防接種が順調に進んでいるか、などを伺います。事故防止は14歳児の死因の一位か二位を占めるため、決して疎かにできない項目です。近年、有病率が増しているアレルギー対策も重要な項目です。8ヶ月健診と同様に、親御さんが普段気になっておられることがありましたらご相談ください。

 乳幼児健診は、わが子の成長・発達を専門医に相談できる貴重な機会です。何か気になることがありましたら、事前に母子手帳などに記入しておきましょう。健診当日、スムーズに質問することができます。当院の乳幼児健診は火曜日の午後2時台に設置していますが、仕事のご都合で平日に来られない親御さんのために、土曜日の午前にも行っています。他の子どもたちと待合室を分けることにより、風邪などをもらわないための配慮をしております。どうぞ安心してご来院ください。健診の際に予防接種を同時に受けることも可能です。