2016年3月27日

風邪薬はどれだけ効くか !?

 「リゾチーム製剤が市場撤退。追試に失敗。製薬会社が自主回収」… 2016年3月18日付の新聞の見出しです。リゾチーム製剤の商品名は、アクディーム、ノイチーム、レフトーゼなど。「気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症の喀痰喀出困難に効く」との触れ込みで販売され、風邪の治療にもしばしば用いられてきました。しかし、適応疾患を広げようとして再評価調査を行った結果、逆に「効かない」ことが実証されてしまい、承認を取り消さざるを得なくなったというお粗末な話です。当院はリゾチーム製剤の有効性に疑問をいだき、過去10年以上にわたって使用を控えていました。判断は間違っていなかったことになります。

2016年3月20日

保育園・幼稚園での感染症対策

 四月から入園を迎える皆様、おめでとうございます。新しい生活を始めるにあたり、親子共々に期待と不安が交錯する日々であろうと推察いたします。

 入園後間もなく、しばしば熱を出したり、咳が止まらなかったり、いつも鼻水を垂らしていたり … 風邪をひいてばっかり。「うちの子、こんなに弱かったかしら?」という状況が訪れますが、これはごく普通のこと。集団生活に入ると、これまでの家庭生活と比べものにならないほど、多種多様の病原体と遭遇します。風邪を引き起こすウイルスは約200種類あるといわれます。熱も咳も鼻水も、子どもが病原体と闘っている証です。一つ一つの風邪を乗り越えることによって、子どもはそれぞれの病原体に対する免疫を獲得し、次第に丈夫な身体になっていきます。