東京都内の新型コロナウイルス感染者のうち、20代と30代の割合が5割を超えていることが報告されました。ワクチン接種が進む中、60代以上の感染者は減少傾向にあり、社会の中で最も活動的な若年層への感染が顕著な状況にあります。大和市でも同様の傾向が認められ、20代の感染者が突出して多くなっています。若年層は重症化しにくいという理解が広まっているほか、副反応への警戒感から、ワクチン接種に慎重な若者も少なくないようです。しかし、若年層にも後遺症に苦しむケースが散見されること、ワクチンの有効性は極めて高く重大な副反応の頻度は低いことから、筆者(玉井)は若年層の方々へのワクチン接種を強く推奨します。
2021年6月30日
2021年6月14日
RSウイルス感染症 〜 季節外れの流行 〜
乳幼児に肺炎を起こすことのあるRSウイルスが流行しています。例年は7〜8月に流行が始まり、9〜10月にピークを迎え、11月以降に収束します。しかし今年は3月から感染者が徐々に増え始め、6月時点でまだ増え続けています。国立感染症研究所によると、現行方式で統計を取り始めた2018年以降で、最多の2019年9月に迫る勢いです。この時期の流行は異例のことです。
RSウイルスは、感染者の咳やくしゃみ、鼻汁から感染します。年長児は上気道炎(かぜ)で済むことが多いですが、年少児、とくに生後半年以内の乳児、早産児、心肺に基礎疾患を持つ乳幼児などでは、重い細気管支炎や肺炎を起こすことがあります。特効薬やワクチンはありません。一度かかっても終生免疫が成立せず、何度もかかります。ある程度の免疫は獲得され、かかるたびに症状は軽くなります。マスクの着用や手洗いによる予防は有効です。RSウイルス感染症の詳細は、院長のコラム「RSウイルス感染症 〜乳幼児にとって厄介な病気〜」(2012年10月)をご参照ください。https://tamai-kids.blogspot.com/2013/10/rs.html#more
RSウイルス感染症は昨年(2020年)、年間を通じて流行しませんでした。新型コロナウイルス対策でマスクを着用する人が増えたことや、幼稚園・保育園が休園したことが影響していると考えられます。通常であれば免疫を獲得するはずであった子どもたちの多くが免疫を持っていないため、今年は感染が急拡大しているのではないかと推測されます。今年のRSウイルス感染症の特徴は、1歳未満の乳児だけでなく1〜3歳児にも重症例がときどき見られることです。子どもが激しい咳をしていたり息苦しそうな素振りを見せたりしていたら、早めに医療機関に相談されることをお勧めいたします。
インフルエンザに関して、同様の事態が起こらないか気になります。2020/21年のシーズン、インフルエンザはまったく流行しませんでした。次のシーズンに大きな反動が起こる可能性が米国の一部の専門家の間で指摘されています。さいわい、インフルエンザにはワクチンがあります。有効率は30〜70%で満足できる高さではありませんが、無防備であるよりはずっと安全・安心です。当院は9月上旬にワクチン受付を開始いたします。詳細はホームページに掲載する予定です。