薬の保管についてお尋ねいただく機会が多いです。剤形別に保管方法をお伝えいたします。
1) シロップ剤: 冷蔵庫に保管します。子どもがジュースと間違えて飲んだら大変です。奥の方にしまったり缶に入れたりして、子どもの目に付かない工夫をしてください。ボトルの蓋を開け閉めする時に雑菌が混入し、糖分を栄養にして増殖することがあります。1〜2週間を目処に、余った分は廃棄してください。
2) ドライシロップ剤、散剤、錠剤、カプセル剤: 室温で保管します。湿気を吸ったり直射日光に当たったりすると薬の効果が落ちます。乾燥剤を入れた空き缶や密封容器(ジップロックなど)に入れて、涼しい部屋で保管しましょう。お菓子の缶に入れることは避け、子どもの手の届かない場所に置いてください。また、冷蔵庫には入れない方がよいです。取り出す時の結露により、湿気を帯びることがあります。薬局で分包したドライシロップ剤や散剤の保管期間は約3ヶ月です。ヒートシールで包装されている錠剤やカプセル剤や漢方薬の保管期間は約1年です。
3) 坐剤: 高温に弱いため、冷蔵庫に保管しましょう。ただし、ダイアップとナウゼリンは室温で保管しても大丈夫です。テレミンソフトは冷蔵庫から出した直後だと硬くて肛門が切れるおそれがあるため、室温に戻してから使用するとよいです。坐剤の保管期間は約1年です。
4) 点眼剤、点耳剤: 開封後は必ず冷蔵庫に保管しましょう。雑菌が増殖しやすいため、使い始めてから1ヶ月を目安に新しいものに取り替えてください。未開封の場合は室温保管で大丈夫です。ただし、使用期限をお確かめください。
5) 点鼻剤、吸入剤: 室温で保管します。使用期限をお確かめください。
6) 外用剤(塗り薬): 室温で保存します。冷蔵庫に入れると硬くなり塗りにくくなります。未開封で3〜4年はもちます。使用期限をお確かめください。チューブの先端を患部に直接つけたり汚れた指ですくい取ったりしていると、雑菌が増殖し劣化の原因になるので避けてください。薬局で2種類以上を混合した場合、薬の組み合わせによっては4〜8週間が限度になります。
かぜ薬などはその時の症状に合わせて調合され処方されます。処方日数が使用期限です。残った薬は原則として廃棄してください。解熱薬(頓服用)がいつまで使えるか、1) 2) 3) の記述に基づいて保管期間を決めてください。薬は子どもの体重に合わせて処方されます。兄弟姉妹間の使いまわしは決してしないでください。子どもの誤飲事故の17%が薬剤関係という報告があります。保管場所にはくれぐれもご注意ください。