① 主な症状は発熱と咳。鼻水や鼻づまりは少なく、嘔吐や下痢も少ない。初期症状は風邪やインフルエンザに似る。感染者の80%は発症から1週間程度で風邪のまま治癒する。20%は1週間以降に肺炎症状(発熱の持続、呼吸困難)を呈し、入院治療を要する。感染者の2〜3%は肺炎がさらに悪化して、致命的な経過をたどる。40歳代までは重症者は少なく、50歳代から年齢が高くなるに従って致死率も高くなる。基礎疾患保有者(慢性呼吸器疾患、循環器疾患など)も重症化の危険がある。風邪やインフルエンザよりも肺炎の発生率が高いことが特徴。
② 中国における小児(0〜18歳)の報告例は、全体の2〜3%を占めるにすぎない。日本国内でも小児は散発例にとどまる。小児の罹患率は成人と変わらないため(家族内接触で13%)、小児の報告例が少ない理由は無症状あるいは軽症が多く検査実施に至っていないためと推測される。ごく少数ながら重症例の報告もあるため、あまり楽観視しすぎてもいけない。
③ 無症状や軽症の感染者も感染源になりうる。ただし感染者の80%は他人に感染させない。一部の感染者が強い感染性を持ち、「スーパー・スプレッダー」と呼ばれる。若年者(多くは無症状または軽症)のスーパー・スプレッダーが「三つの条件が同時に重なる場」で感染を拡げる可能性が指摘されている。イベントの自粛や一斉休校が「厳しすぎる」との声もあるが、感染拡大防止に一定の効果をあげていることは事実。自分がスーパー・スプレッダーにならないために、屋内の人混みで(マスクなしで)声を上げたり咳をしたりすることは避けたい。
④ 微熱や軽い咳など、症状が軽いうちは自宅療法することが最善策。病初期は、新型コロナウイルス感染症と診断することも、違うと診断することもできない(診断確定のためのPCR検査は感染症指定医療機関のみで実施可能)。感染症指定医療機関に直接受診すると新型コロナウイルスに本当に感染する危険があるし、仮に早く診断できても重症化を防ぐ治療薬は現時点で存在しない。自宅療養で不安があるときは、かかりつけ医に相談しよう。通常の風邪は3〜4日で自然に治る。もしも4日以上の風邪症状が続くか、4日未満でも呼吸が苦しくなるなど悪化する傾向があれば、かかりつけ医か帰国者・接触者相談センター(大和市は046-261-2948)に電話相談して対応を決めよう。