2006年2月27日

かぜと抗生物質

 急性上気道炎(いわゆる風邪)の多くは抗生物質を必要としません。今回のコラムでは「抗生物質の使いすぎは耐性菌を増加させる」「抗生物質はあらゆる風邪に効く万能薬ではない」「抗生物質の効く風邪をきちんと選別しなければならない」ことを解説します。

2006年1月13日

子どもの薬の話

 内科系(小児科、内科など)の治療の主役は「薬」です。病巣を切ることを最終的な解決手段とする外科系とは、この点が根本的に異なります。筆者は、研修医のときに先輩から「小児科医が処方する薬は外科医がふるうメスと同等の重みがある」と厳しく教わりました。今もその戒めを心して薬を決めています。筆者が子どもに薬を処方する際の方針は、「真に必要な薬をシンプルに」。あれもこれもと欲張りすぎると、量が増えて味が複雑化して飲みにくい上に、稀といえども薬物相互作用や副作用の心配が増します。今回のコラムでは、薬に関する疑問についてお答えしましょう。

2006年1月5日

ファーストフードと肥満

 わが国の肥満児は過去30年間で約3倍に増加しました。小学校高学年では8~9人あたり1人の割合です。肥満とそれに伴う生活習慣病は、今後さらに深刻度を増すことが予想されます。私事ですが、筆者は米国のセントルイス市で3年余り生活し、成人の約6割が過体重、うち3割が肥満という「肥満大国」の実態をつぶさに見てきました。米国人の問題は、生活様式の西欧化が進む日本人にとって他所事ではありません。今回のコラムでは、米国人の肥満化の元凶とされるファーストフード(fast food)を取り上げ、食習慣の問題について言及します。

2005年12月1日

解熱薬の使い方

 熱を出してフーフー言っている子どもを見るのはつらいことです。発熱に対してどのように向き合えばよいか、解熱薬をどのタイミングで使えばよいかを考えてみましょう。

 最初に、病気の重症度をチェックします。意識がおかしい、呼吸が苦しそう、顔色が真っ青、出血傾向がある、ぐったりして呼びかけに応じない、半日以上尿が出ない、生後3ヶ月以下 ⋯。これらの場合、とりあえず様子を見るのではなく、早急に医療機関に受診してください。


2005年11月1日

おしゃぶりは必要か?

 おしゃぶりの使用の是非について、日本小児科学会の公式見解が6月に発表されました。結論(勧告)の要旨を引用しますと …
「おしゃぶりは使用しない方がよいが、もし使用するなら歯の噛み合わせの異常などを防ぐために、以下の点に留意する。
 ① 言葉を覚える1歳を過ぎたら、おしゃぶりを常時使用しない
 ② 遅くとも2歳半までに使用を完全に中止する
③ 使用中も声掛けや遊びなど、子どもとの触れ合いを大切にする。子育ての手抜きとしての便利性だけで使用しない
④ 4歳以降になってもおしゃぶりが取れない場合は、小児科医に相談する」

2005年10月1日

夜泣きの対処法

 夜泣きとは、赤ちゃんが夜間に目覚めて泣き止まない状態をいいます。睡眠のパターンが完成するまでの一時的な生理現象であり、生後7~10ヶ月をピークに1歳半過ぎまでに自然に治りますが、養育者、とくに母親にとっては大変に悩ましい問題です。夜泣きへの具体的な対策を考えてみましょう。

2005年7月4日

日焼けはほどほどに

 筆者が少年だった頃、日焼けは健康のシンボルでした。夏の海辺でクロンボ大会が催され、皆で競い合って肌を焼いたものです。それほど昔でなくても、平成10年までの母子手帳には「外気浴や日光浴をしていますか」と記載されていましたし、今でも7割以上の人が「日焼けすれば身体が丈夫になる」と信じています。日光浴がかくも推奨される最大の理由は、日光に含まれる紫外線により体内でビタミンDが合成され、これがくる病(骨のミネラルが不足する病気)を防止する効果を持つためです。

 ところが、近年の栄養事情の改善とビタミンD摂取量の増加に伴ってくる病が激減し、代わって紫外線による皮膚癌の危険が実証されてくると、これまでの論調が一転して「日光浴は百害あって一利なし」と唱えられるようになりました。母子手帳から日光浴の字句が削除され、薬局には子ども用の日焼け止めが花盛りです。昨日の英雄が今日の悪玉に転落したかのようです。日光浴は有用か、それとも有害か、一体どちらが正しいのでしょうか!?