2007年3月1日

ダニ対策をすべての家庭で

 アレルギー疾患にかかる子どもが増えています。原因の一つは室内で発生するハウスダストです。ハウスダストとは、家の中のダニ、カビ、毛、フケ、繊維など、ホコリの総称。中でもアレルギーに深く関わるものはダニです。ハウスダストに対して過敏性を有する人々のほぼ100%が、ヒョウヒダニの死骸やフンに反応します。ダニ退治こそが、ハウスダストによるアレルギー疾患(喘息、鼻炎、アトピー性皮膚炎)を解決するための基本です。

2007年2月1日

子どもの事故は防止できる

 0歳児を除く子どもの死因の第一位は「不慮の事故」です。わが国で毎年1000人近くの子どもが事故で命を落としています。これはインフルエンザ脳症、麻疹、悪性新生物(がん、腫瘍)による死亡に比べて格段に多い数値です。事故は子どもにとって重大な健康問題であることを、保護者の方々に知っていただきたいと思います。
子どもには危険予知能力が備わっていないため、思いがけない行動をしばしばとります。「わが子に限って大丈夫」という楽観視は、根拠のない空想に過ぎません。事故はすべての子どもに「起こりうるもの」であり、親の注意によって「防ぎうるもの」です。日常の危険から子どもを守るための方策を考えてみましょう。

2006年12月30日

アレルギー疾患の増加

 気管支喘息にかかっている幼稚園児や小中学生の割合が10年間で倍増し、過去最高を更新したことが、文部科学省の学校保健調査(平成18年度)で明らかにされました。喘息児の割合は、幼稚園2.4%、小学校3.8%、中学校3.0%、高校1.7%にのぼっています。また、今年度から調査項目に加えられたアトピー性皮膚炎の割合は、幼稚園3.8%、小学校3.6%、中学校2.8%、高校2.2%です。他の調査結果と合わせて見ると、アレルギー疾患すべて(花粉症や食物アレルギーも含めて)が増加していて、おおよその有病率は5~15%と推測されます。当クリニックにおいても、これとほぼ同じ傾向が認められます。

2006年12月1日

障害から才能へ

 私が当地で障害児支援に携わって約8年が経ちます。この間に多くの子どもたち、ご家族の方々と接する機会がありました。「われ以外みなわが師」の教訓どおり、各々のご家庭の子育て体験を伺いながら、私なりの支援のあり方を模索してまいりました。私がつねに心がけている基本姿勢は、① 疾患について正確な情報を提供すること、② 子育てに奮闘するご家族に共感し、親身になって援助すること、③ 療育について必要な措置を講じること(他の医療・福祉サービスへの紹介も含めて)の三点です。まだまだ至らない点も多いと思いますが、これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。


2006年11月1日

早寝早起き朝ごはん

「早寝 早起き 朝ごはん」の国民運動をご存知でしょうか。このような合言葉を唱えなければならないほど、現代の子どもたちの生活リズムは「夜ふかし 朝寝坊 朝食抜き」に傾いています。全国的な調査によると、小学生の15%、中学生の70%は夜11時以降でないと就寝しません。小学生の15%、中学生の22%は朝食をとらずに登校します。睡眠と食事の乱れは健康を害するだけでなく、学力低下や非行にもつながるため、早急な対策が必要です。
 

2006年9月1日

胎内で将来の病気が作られる

 小さく生まれる赤ちゃんが増えています。厚生労働省の発表によると、赤ちゃんの平均出生体重は1980年に3194gだったのが、1990年に3141g、2000年に3053gと年々減り続け、この2~3年では3000gを割り込みました。その背景には20~30代の女性における、行き過ぎたスリム志向とダイエットがあります。肥満がすべての年代で増加している中、痩せが唯一目立つのがこの世代で、妊娠中の体重増加も低下傾向にあります。古来から日本では「小さく産んで大きく育てる」ことが美風とされ、今まさにその通りに世の中の流れが進んでいます。しかし、この現象は本当に好ましいことでしょうか!? 実は、胎児期に低栄養状態にさらされた子どもは、将来的に生活習慣病(高血圧、心臓病、糖尿病など)にかかりやすいことが、最近の調査・研究で明らかにされています。

2006年8月1日

おたふくかぜが難聴を起こす

「ムンプス難聴」という病気をご存知でしょうか。ムンプス(mumps)とはおたふくかぜのこと。おたふくかぜが髄膜炎や睾丸炎を起こすことはよく知られていますが、難聴については “稀な合併症” という認識しかこれまで持たれていませんでした。しかし最近になって、ムンプス難聴の合併率が予想されていた以上に高く、しかも一旦起こるとまず治らないことが判明し、その対策が重視され始めています。今回のコラムではムンプス難聴を解説し、予防接種の重要性をあらためて強調したいと思います。