2006年11月1日

早寝早起き朝ごはん

「早寝 早起き 朝ごはん」の国民運動をご存知でしょうか。このような合言葉を唱えなければならないほど、現代の子どもたちの生活リズムは「夜ふかし 朝寝坊 朝食抜き」に傾いています。全国的な調査によると、小学生の15%、中学生の70%は夜11時以降でないと就寝しません。小学生の15%、中学生の22%は朝食をとらずに登校します。睡眠と食事の乱れは健康を害するだけでなく、学力低下や非行にもつながるため、早急な対策が必要です。
 
 朝食をとらない小学生2千名に理由を尋ねたところ、「時間がない」「空腹でない」「気分がすぐれない」「朝食が用意されていない」の頻度順に回答がありました。このアンケート調査から浮かんでくるのは、睡眠不足(夜ふかし)、食生活の乱れ(遅い夕食、不規則な間食、夜食の習慣)、運動不足(長時間のテレビ/ゲーム)、自由時間の減少(塾、稽古事)などの問題点です。「朝食がない」に至っては、健康や食育に対する家族の無関心が現れています。

朝食は脳と体にエネルギーを供給し、集中力・気力・体力をスイッチオンにします。逆に朝食をとらないと、起床時と変わらない低空飛行を余儀なくされます。朝食を毎日とらずに生きることは、午前中の人生を損なっているのと同じでもったいないことです。健康な成人に朝食抜きの生活を1週間してもらう実験では、予想どおり午前中さっぱり元気が出なくなり、体温が約1℃低下しました。体温の低下は基礎代謝の鈍化と同義であり、太りやすく病気になりやすい状態を意味します。別の調査では、朝食抜きの子どもはテストの点数が1割低いという成績が出ました。脳が栄養不足に陥り、学習能力や意欲が低下するためです。

朝食をしっかりとるには、夜の過ごし方が大切です。子どもを親の夜型生活に巻き込まず、朝にコミュニケーションを取ることを心がけましょう。これは幼児期から身に付けたい習慣です。他にも、夜8時以降は食べ物を控える、テレビやゲームを夜遅くまでしない、夜10時に床につく、などの努力目標を立てましょう。現代の子どもたちは塾や稽古事に追われがちで、また働く母親が多いことから、理想的な生活リズムを作ることは難しいと思います。しかし、それに甘んじて不健康な生活習慣を放置すべきではありません。限られた時間を上手に使うための方策を、各家庭の実情に合わせて創意工夫されることをお勧めいたします。

 最後に、「大和市学校保健研究紀要(平成17年度)」から、小中学生の意識調査を紹介します。大和市の子どもたちは(家族も含めて)健康への意識が高いと安心できる結果でした。
 問1 朝食をとらずに学校に来るとどうなりますか?
 答1 おなかがすいて気持ちが悪い、苛々する、先生の話が聞けない、体に力が入らない
 問2 朝食をとると体がどうなりますか?
 答2 元気に運動できる、体がしゃきっとする、勉強に力が入る、おなかがすっきりする
 問3 朝食をしっかりとるにはどうすればよいですか?
 答3 早く寝る、早く起きる、体をよく動かす