麻疹の感染者が3月以来、急増しています。2025年4月2日時点で、全国で58人(神奈川県で7人)が報告され、昨年1年間の45人を早くも超えました。年齢別では20〜30代に多く、0〜1歳児も7人います。麻疹ワクチンをまだ接種していない0〜1歳児には免疫がなく、感染すると重症化しやすいため、経過が気がかりです。58人の過半は海外で感染したとみられていますが(ベトナムが最多)、渡航歴がなく接触歴がはっきりしないケースもあり、今後の流行拡大が懸念されます。
2025年4月9日
2025年4月2日
百日咳が増加中 〜 ワクチンの追加接種を 〜
国立感染症研究所は、2025年3月23日までの1週間で、全国の医療機関から458人の百日咳が報告されたとの速報値を発表しました。今年に入ってからの累積数は4100人で、昨年1年間の4054人をすでに超えています。神奈川県では、2025年3月17日の時点で136人の報告があり、昨年1年間の48人をすでに超えています。主に学齢期(5〜14歳)の子どもに発生しています。
2025年3月20日
鼻腔に噴霧するインフルエンザワクチン「フルミスト」
鼻腔に噴霧するだけで済む(= 注射いらずの)インフルエンザワクチン「フルミスト」が2023年に日本で認可されました。当院は2024年から使用を開始しています。フルミストは2003年に米国で認可され、2011年に欧州でも認可されました。一時的な曲折(2009年に流行した新型インフルエンザに対して効果が劣ること)を経ましたが、その後に改良が進み、日本でもこのたび有効性と安全性が認められたわけです。今回は噴霧型ワクチンについて解説いたします。
2025年2月16日
小児科医の特性は「せっかち」?
ある小児科専門誌に「小児科医は概してせっかちである」という内容のエッセイが掲載されています。果たして自分が小児科医の特性にどれだけ適合するか、マルバツをつけてみました。
① じっとしておらず、絶えず動き回っている → マル
② 自分の話したいことを一気に話そうとする → マル
③ 相手の話がゆっくりだと、せかせかと相槌を打って話を急がせる → マル
④ 一度に二つ以上のことをしようとする → マル
⑤ ゆっくり休養したり数時間なにもしないでいたりすると罪悪感を覚える → マル
すべて二重丸でした。まったくお説のとおりです。
2025年1月12日
ヒトメタニューモウイルス感染症
ヒトメタニューモウイルス(hMPV)による感染症が中国で拡大していると報じられています。中国では今月末に春節(旧正月)に伴う人々の大移動があることから、日本など周辺国への影響が懸念されます。中国発ときくと新型コロナウイルスの再来!?と心配される向きもありますが、決してそうではありません。今回のコラムはhMPVについて解説いたします。
2024年12月8日
大和市北部の病児保育の再興を願う
皆様は病児保育をご存知でしょうか。子どもが病気に罹って保育園・幼稚園や学校に行けなくなり、親御さんが仕事の都合や自身の体調不良で付き添えない時、親御さんに代わって看護師や保育士が子どもの世話と看病をする仕組みです。「子どもが病気の時は親が看るべきだ」という意見はもちろん正解ですが、どうしても休めない性質の仕事に就いている親御さんにとって、子どもの看病を専門家に委ねるという選択肢があってもよいと思います。家庭と仕事の両立を目指す女性にとって、子育ての負担を軽減し社会での活躍を後押ししてくれる病児保育は、とても頼りになる存在と言えましょう。