花粉症といえば、春のスギ、ヒノキ(樹木花粉)が有名ですが、夏から秋にかけて飛散するブタクサ、ヨモギなどの草本花粉にも注意が必要です。とくに南関東にはブタクサやヨモギの群落が多く、患者数も多いとされています。ブタクサとヨモギは共通抗原性が高く、たとえばヨモギ花粉症の方の約90%はブタクサにも交差反応を示します。
2024年9月15日
吃音への理解を深めよう
話す時に言葉が詰まったり同じ音を繰り返したりすることを吃音(きつおん)といいます。多くは自然に治癒しますが、成人まで持ち越すケースもあり(約100人に1人)、幼児期からの適切な対応が必要とされます。今回のコラムでは、吃音に関する情報をお伝えいたします。なお、吃音に関する詳しい知識は「吃音ポータルサイト(http://www.kitsuon-portal.jp)」「子どもの吃音 ママ応援BOOK(学苑社)」などをご参照ください。
2024年7月15日
薬を安全に保管する方法
薬の保管についてお尋ねいただく機会が多いです。剤形別に保管方法をお伝えいたします。
1) シロップ剤: 冷蔵庫に保管します。子どもがジュースと間違えて飲んだら大変です。奥の方にしまったり缶に入れたりして、子どもの目に付かない工夫をしてください。ボトルの蓋を開け閉めする時に雑菌が混入し、糖分を栄養にして増殖することがあります。1〜2週間を目処に、余った分は廃棄してください。
2024年2月28日
子どもの花粉症が増えている(2013年12月の改訂版)
花粉症は戦後に初めて報告された新しい病気です。それが今や、国民の25〜30%が罹る病気になってしまいました。子どもの花粉症も増えています。2008年に行われた全国アンケート調査では、スギ花粉症の有病率は、0〜4歳で1.1%、5〜9歳で13.7%、10〜19歳で31.4%でした。10年前の同じ調査では0〜4歳で1.7%、5〜9歳で7.2%、10〜19歳で19.7%でしたので、5歳以上で1.5〜2倍増加していることになります。
2024年1月27日
風邪の治療に咳止め薬は不必要 !?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が5類感染症に変更された昨年5月以降、通常の(季節性の)風邪やインフルエンザが長々と流行し、COVID-19も消え去ることはなく、そのため風邪薬の需要が著しく増加し、「咳止め薬がなくなった」「抗菌薬がなくなった」といった欠品騒動が頻発しています。しかし、咳止め薬がなくなったことで困った子どもたちを見ることはほとんどありません。風邪の治療に咳止め薬は本当に必要か? 今回のコラムでは咳止め薬について考えてみます。
2023年12月20日
アデノウイルス感染症
アデノウイルス感染症が本年9月以来、主に乳幼児の間で流行しています。過去10年間で最大規模です。今回のコラムでアデノウイルスについて解説いたします。
アデノウイルスには51の血清型があります。種類が多いため、様々な部位に感染し、様々な病型があり、一度のみならず二度、三度と感染します。いずれのウイルスも、便や飛沫や直接接触により感染します。コロナ禍の3年間、流行が抑えられていたことから、手洗いやマスクは感染防止に有効と考えられます。ウイルスを受け取ってから症状が現れるまでの潜伏期間は5〜7日です。
2023年9月24日
インフルエンザの大規模流行に警戒を
インフルエンザが異例の早さで流行入りしました。2023年第37週(9月11〜17日)時点で、神奈川県における1医療機関あたり1週間のインフルエンザ患者数は9.37人です。流行入りの目安が1 週間に1人、注意報レベルが1 週間に10人、警報レベルが1 週間に30人ですので、注意報レベルまであと一歩のところまで来ています。当院でも8月最終週から感染者が徐々に増え始め、直近の第38週(9月18〜24日)の1週間で注意報レベルを大きく超えました。大和市域の複数の小中学校と高校で集団感染が発生しています。今後いっそうの警戒が必要です。