2020年1月24日

幼稚園・保育所における感染症対策

 子どもたちが集団生活を送る幼稚園・保育所には、様々な病原体(細菌、ウイルス)が持ち込まれ、それに起因する感染症がしばしば流行します。園のスタッフは対応に追われ、気苦労は相当なものであろうと推察します。感染症を発症した園児を隔離し登園停止にする措置は、感染の拡大阻止の基本中の基本です。しかし隔離と登園停止だけで感染症の蔓延を防ぐことはできません。幼稚園・保育所における感染症対策の難しさについて解説します。

2019年12月26日

インフルエンザ診療 ここが変だぞ!

[1] 治癒証明書、本当に必要?
 子どものインフルエンザが治った後、治癒証明書(または登校・登園許可書)を求めて再受診するという不思議な現象がまだ所々で見られます。大和市の公立小中学校ではとっくの昔に廃止され、多くの幼稚園・保育園でもすでに廃止されていますが、まだ一部の私立小中学校や幼稚園・保育園で実施されています。でも、本当に必要でしょうか。

2019年11月24日

止めるぞ! 風疹!

 先天性風疹症候群という病気があります。妊娠初期(20週頃まで)の女性が風疹ウイルスに感染すると胎児も感染して、難聴、先天性心疾患、白内障、緑内障、成長障害、精神遅滞などを発症します。障害の発生率は妊娠初期に感染するほど高くなります。妊娠1ヶ月で50%以上、2ヶ月で35%、3ヶ月で18%、4ヶ月で8%と報告されています。風疹には症状の現れない不顕性感染が15〜30%あるため、自分の知らないうちに妊婦にうつしていたり、妊婦は風疹にかかったことに気づかなかったりして、赤ちゃんが生まれた後に病気が判明するケースも少なからずあります。

2019年10月6日

真っ当な「かぜ診療」を目指して

 日常の小児診療で最も多く遭遇する疾患はかぜ(急性上気道炎)です。主な症状は、発熱、咳、鼻水・鼻づまりです。これらの症状に対して、熱冷まし(解熱薬)、咳止め(鎮咳薬)、鼻水止め(抗ヒスタミン薬)などの薬が使われます。いずれも対症療法のための薬です。抗菌薬、漢方薬などが使われることもあります。これらの薬の有用性について検討してみましょう。

2019年9月9日

ゲーム障害 〜 WHOが疾患に認定 〜

 世界保健機関(WHO)の国際疾病分類に「ゲーム障害」が収載されることになりました。日本をはじめとする世界各地でゲーム障害が社会問題化していることが背景にあります。ゲームにのめり込む機序はアルコールやギャンブルへの依存と同じですが、ゲームには法的規制がない分、未成年者に多発することが特徴です。中高生のネット依存は全国で93万人(7人に1人の割合)、その90%がゲーム障害と試算されています。先日、ゲーム障害の診断と治療の第一人者である、国立久里浜医療センター院長の樋口進先生の講演を聴く機会がありました。樋口先生のお話を引用しながら、ゲーム障害の実態と対策について解説いたします。

2019年6月24日

子どもの弱視 〜早期発見の重要性〜

 子どもの視力は生まれた時から大人並みということはありません。視覚刺激を繰り返し受けることで徐々に伸びていきます。生まれたばかりの赤ちゃんは、明るいか暗いかを区別するだけです。生後1ヶ月で物の形が、生後2ヶ月で色が何となく分かるようになります。1歳で0.2くらいの視力になり、3歳までに急速に伸びて、3歳で0.6〜0.9、5歳で1.0以上になります。この時期は視覚の発達期とよばれています。

2019年6月3日

イオン飲料の多飲によるビタミンB1欠乏症

 イオン飲料の多飲による「ビタミンB1欠乏症」に対する警告が、日本小児科学会から発表されました。その詳細をお伝えいたします。