2020年6月12日

新型コロナウイルス感染症:子どもたちのストレスと不安を解消しよう

 新型コロナウイルス感染症がようやく収束に向かっています。東京や北九州市で感染者が増えて「第二波か!?」と心配されましたが、これは第二波ではなく、抑え込みが不十分な状態で緊急事態宣言が解除されたため、隠れていたウイルスがまた姿を現しただけです。しかし、冬のウイルスであるコロナウイルスは、夏にいったん減衰しても、秋以降に再び猛威を振るう可能性があります。油断は禁物です。当分の間、新型コロナウイルスと対峙する日常を覚悟しなければなりません。

2020年5月22日

小児の新型コロナウイルス感染症の特徴

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第一波は収束しつつあります。首都圏と北海道でも緊急事態宣言が解除される日は近いと思います。しかし第二波、第三波は必ず来ます。咳エチケットを励行する、三密を避ける、体調不良時は無理せず静養する、などの基本的な対策は継続しなければなりません。「他人への優しさと思いやり」がこのウイルスを撃退するキーワードです。

 第一波を通じて、小児におけるCOVID-19の特徴が明らかになりつつあります。今回のコラムでは、その概要を解説いたします。

2020年5月10日

食物アレルギーの子どもに理解と支援を

 食物アレルギーは、食物に含まれる成分が体内で有害な異物と誤認されて免疫反応が起こり、生体に不都合な症状(蕁麻疹、咳、嘔吐、アナフィラキシーショックなど)をきたす病気です。免疫は本来、生体にとって有害なもの(病原体、がん細胞など)を排除する機能ですが、ここに不具合を生じると食物アレルギーを発症することがあります。

2020年4月15日

思春期に生じやすい鉄欠乏性貧血

 小児で鉄欠乏性貧血が起こりやすい時期は、鉄の需要が急速に増大する離乳期と思春期の二回です。前回のコラムで、赤ちゃんの脳に鉄分を補給することの大切さを解説しました。今回は、育ち盛りの思春期における鉄分補給の重要性を解説いたします。

2020年4月12日

新型コロナウイルス感染症への対応(第9報)

[1] 緊急事態宣言:私たちにできること
 4月7日に緊急事態宣言が出されました。新型コロナウイルスの爆発的流行の瀬戸際にあって、私たちにできることは「不要不急の外出を避け、特に密閉・密集・密接の場所に行かないこと」「咳エチケットと手洗いを励行し、ウイルスをもらわない・わたさない意識を持つこと」です。若い人たちは、感染しても軽症で済む可能性が高いため危機感が薄いかもしれません。しかし、若い人も一定の確率で重症化しますし、高齢者や基礎疾患保有者など重症化しやすい人たちへの感染源になり得ます。今は我慢する時だということを、ぜひ理解していただきたいと思います。
 外出が全面的に禁止されているわけではありません。子どもの心身の発達にとって、外遊びは大切です。ルールを決めて感染リスクを下げて、公園などで遊ぶことは大丈夫です。風邪症状がある時は外出しない、他人との距離を保つ(人混みに近寄らない)、遊具に触れた手を口・鼻・目にもっていかない(こまめに手洗いする)などを心がけて、子どもと一緒の時間を楽しく過ごしていただきたいです。このような非常時こそ、親子の絆を強める好機と捉えましょう。

2020年4月9日

改訂版(3月23日):日本小児科学会「小児における新型コロナウイルス感染症に関するQ&A」

 昨年 12月に中国で発生した新型コロナウイルス感染症は、世界的に感染の拡大が認められ、日本における患者も全国的に増加しています。小児の患者数は成人に比較すると少ないですが、国内においても増加しており、子どもの感染者を想定した診療が必要になっています。また、感染対策は重要ですが、可能な範囲で通常の日常生活を続けることも子どもの成長や発達には不可欠なことです。

2020年4月5日

新型コロナウイルス感染症への対応(第8報)

 新型コロナウイルス感染症をめぐる情勢が急展開中です。都市部を中心に感染者が急増しています。クラスター(集団)感染が次々に報告される一方、感染源が分からないケースも増加しています。クラスターの発生は主に若年層の行動に起因しますが、最近は中高年層にも増えています。会合・集会(カラオケ、ライブハウス、バーなど)、海外への卒業旅行、サークル活動(ダンス、合唱など)、病院内感染、高齢者・福祉施設内感染などがクラスターの発生箇所です。感染をこれ以上拡大しないために、「3つの密」(換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面)を避けるための取り組み(行動変容)を、より強く徹底する必要があります。国民ひとりひとりの自覚が大切です。とくに若年層の人たちは、「感染しても自分は軽く済むから大丈夫」と考えずに、自分が感染することが家族や友人などコミュニティ全体に影響を及ぼし、その結果として重症化しやすい人たち(高齢者、基礎疾患保有者)を死に至らしめる可能性があることを知ってもらいたいと思います。海外では人どうしの間隔を2メートルあける「ソーシャル・ディスタンシング」が推奨されています(2メートルは飛沫が届かない距離です)。日本でも若年層の人たちに率先して広めてもらいたい取り組みです。