2020年3月20日

新型コロナウイルス感染症への対応(第7報)

 新型コロナウイルス感染症の専門家会議(3月19日開催)は、感染拡大について「今のところ持ちこたえているが、一部の地域では拡大も見られる。大規模流行の危険は去っておらず、引き続き慎重な対応が必要」と提言しました。緊急事態宣言(2月28日)後の北海道で新規感染者が減少し始めている一方で、東京、愛知、兵庫などの都市部では感染経路を追えない新規感染者が依然として増えています。ヨーロッパの各地で起きている爆発的な感染者の急増(オーバーシュート)が日本で起きないとは限りません。危険な状況はまだ続いています。北海道で効果が実証されたように、人と人との接触をできるだけ絶つために「三つの条件が同時に重なる場(換気の悪い密閉空間、人の密集、近距離での会話や発声)」を避ける努力は、感染拡大を防止する上で重要です。感染が現在も拡大傾向にある地域では警戒態勢の継続が求められますが、収束に向かい始めている地域ではリスクの低い活動から徐々に解除を検討することが認められました(ただし、感染が再拡大し始めたら再び自粛態勢です)。大和市は3月25日からの学校再開を決定しました。現状では来年度の入学式を4月6日に開催する予定です。子どもたちの元気な声を再び聞ける日が待ち遠しいですね。その他、新型コロナウイルスについて現時点で判明していることをまとめました。既報(第1〜6報)と重複する内容も含まれますことをご了承ください。

2020年3月13日

乳幼児の鉄欠乏は脳神経発達に影響する

 乳児期後期から幼児期初期(生後6ヶ月から2歳)にかけて、鉄の需要と供給のバランスが負に傾くと、鉄欠乏性貧血を生じます。この時期の鉄欠乏は、中枢神経系の働きに悪影響を与え、精神運動発達の遅れを招くことが明らかになっています。このところ新型コロナウイルス感染症の記事が続いたので、今回のコラムは話題をがらりと変えて、赤ちゃんの脳に鉄分を補給することの大切さを解説いたします。

2020年3月8日

新型コロナウイルス感染症への対応(第6報)

 感染経路が特定できない新型コロナウイルスの事例が各地で報告されています。流行状況は水際対策期を過ぎて感染蔓延期の入口に差しかかりました。さいわい大規模な感染拡大が認められる地域はなく、封じ込め対策の効果はまだ期待できます。北海道など感染拡大地域のデータ解析から明らかになったことは、症状の軽い人が気づかないうちに感染を拡大させている可能性が高いこと。なかでも若年者は重症化する割合が低く、活動範囲が広く、結果として重症化しやすい中高年層にまで感染を広げています。封じ込め対策による日常生活への影響は甚大ですが、北海道ではその効果が現れつつあり、感染者の増加のスピードが鈍っています。もうしばらくの我慢かと思います。その他、新型コロナウイルスについて現時点で判明していることをまとめました。

2020年2月24日

新型コロナウイルス感染症への対応(第5報)

 新型コロナウイルスの感染拡大が連日、報じられています。2月24日現在の日本の状況は「感染蔓延期」の直前です。水際対策や封じ込めを狙う時期はもう過ぎました。ウイルス伝達の経路を追えない感染者が増えていますし、それに伴い小児の感染者も増えています。この先「市中感染」として、2〜3ヶ月間の流行が続くと予想されます。このような非常時こそ、冷静を保ち「油断せず、恐れ過ぎず」を心がけるべきで、そのための方策を一緒に考えていきましょう。

2020年2月17日

改訂版(2月27日):日本小児科学会「小児における新型コロナウイルス感染症に関するQ&A」

 日本小児科学会の予防接種・感染症対策委員会が「小児における新型コロナウイルス感染症に関するQ&A」を作成しました。第一版(2月12日)に続く第二版です。ご参考になさってください。

2020年2月16日

新型コロナウイルス感染症への対策(第4報)

 新型コロナウイルス感染症が新たな局面に入りました。これまでの感染者は渡航歴や接触歴を明確に把握できていましたが、2月13日以降、誰からウイルスをうつされたか分からない(感染経路を追えない)事例の報告が相次いでいます。米国疾病対策センター(CDC)は、「この疾患の範囲は当初の想定よりもはるかに広い。無症状の人からも感染する可能性がある」とコメントしました。水際対策の段階はすでに終わっており、今後は「市中感染」としての拡大をどれだけ食い止めるか、重症化しそうな人をどれだけ適切に治療できるか、に焦点が移ると思われます。2月15日時点の最新情報をお伝えいたします。

2020年2月12日

新型コロナウイルス感染症への対策(第3報)

 新型コロナウイルス感染症に関する最新情報をお届けいたします(2月12日時点)。
・潜伏期は1〜12.5日(平均5.2日)
・感染力は季節性インフルエンザと同等(1人の感染者から1.4〜2.5人に拡散)
・病原性は季節性インフルエンザ相当か、それよりもやや強い。軽症から重症まで幅広いが、軽症者が多い。無症状で終わる場合もある
・症状の特徴は1週間ほど続く風邪症状(微熱、咳、倦怠感)。そのまま治る人と1週間後に呼吸困難を生じて肺炎に進む人がいる。肺炎を発症しても重篤な状態に至るケースは多くないが、高齢者や持病のある人では注意が必要で、日本においても複数名の重症肺炎が報告されている
・中国ばかりで死亡率が高い理由は不明。十分な医療を受けられない、重症者だけが検査診断されている(軽症者は検査を受けられず見逃されている)、などの理由があげられる
・感染経路は飛沫感染と接触感染。空気感染はない