2013年9月16日

母乳と薬 ~ 多くの薬は授乳中でも服用可能 ~

 授乳中のお母さんから、薬を飲んでよいかどうか尋ねられることがあります。授乳を中止せざるを得ないのは、一部の特別な薬だけです。多くの薬は安全に飲むことができます。ご質問いただければ、個々の薬について適切な情報をお伝えいたします。しかし現実には、病院や薬局で「薬が母乳中に出るので、服用している間は授乳を控えてください」と言われ、泣く泣く授乳をやめるケースがあります。また、授乳を続けるために薬を飲まずに我慢して、病状を悪化させてしまうケースもあります。どちらも情報を伝える機会があれば、と残念に思います。

2013年6月23日

メタボリック症候群を予防しよう

 わが国の成人男性の約半分、成人女性の約五分の一が、メタボリック症候群といわれています。メタボリック症候群とは、「内臓脂肪型肥満」に加え、「高脂血症」「高血圧」「高血糖」のうち二つ以上を持つ状態をいいます。肥満、高脂血症、高血圧、高血糖はそれぞれ動脈硬化の危険因子ですが、これらが単独で存在するよりも、それぞれが軽度であっても重複して存在する方が危険である事実にもとづき、新しく確立された疾患概念です。動脈硬化による病変は、狭心症、心筋梗塞などの心疾患(日本人の死因第二位)と脳出血、脳梗塞などの脳血管疾患(第三位)の原因になります。

2013年6月19日

風疹の流行 ~ 予防接種を済ませよう~(第二報)

(第一報;2012年7月21日 掲載)(第二報;2013年6月19日 掲載)

 風疹の流行が続いています。昔は5~6年周期で流行していましたが、幼児を対象とした風疹ワクチンが定着して以来、平成16年を最後に大規模な流行はありませんでした。ところが、平成23年に東南アジアで大規模な流行が発生して日本にウイルスが持ち込まれて以来、平成24年に近畿地方で流行規模が大きくなり、平成25年に首都圏で急増し、今や日本全土に拡大する勢いです。平成25年の全国の患者数は、6月9日の時点で早くも1万人を突破しています。うち、神奈川県は1220人、大和保健所管内は39人です。患者の約80%が男性で、20代~40代の年齢層に多く見られます。本来子どもの病気であるはずの風疹が、なぜ成人男性を中心に流行しているのでしょうか。

2013年4月21日

声援と達成感とビールを求めて走る、走る

<今回は医学情報ではなくエッセイ(駄文)です>

 本日、かすみがうらマラソンに出場して、生まれて初めて42.195kmを走りました。未知の世界への冒険旅行でした。記録は4時間28分44秒。サブフォー(4時間未満)を狙ってスタートから飛ばしたのですが、30kmの先に大きな壁が立ちはだかっていて、そこからは脚が思うように動かなくなってしまいました。最後は気力だけで前に進みました。フルマラソンの厳しさ、難しさを痛感しました。でも今は、完走できたことに深い満足を感じています。

2013年4月9日

身長を伸ばすサプリメントは存在しない

 「身長を伸ばす効果がある」と謳うサプリメントが新聞や雑誌やインターネットで宣伝されています。しかし、医学的に有効性が証明されたサプリメントは一つとして存在しません。皆様が誇大広告に惑わされることがないように、日本小児内分泌学会は以下の声明文を発表しました。ご参考になれば幸いです。

2013年3月14日

PM2.5の正体に迫る

 中国で発生した微小粒子状物質(PM2.5)が日本に飛来し、環境汚染を引き起こしています。PM2.5とは、大気中に浮遊する直径2.5μm以下の小さな粒子のことです。その成分として、元素状炭素(黒いスス)、有機炭素、窒素化合物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、アンモニア、重金属など様々な物質が含まれています。その起源は、工場の排煙やディーゼル車の排気ガスなどの人工産物のほかに、土壌の粉塵や火山活動などの自然現象もあります。また、家庭内では喫煙やストーブなどから発生します。PM2.5は粒子のサイズが非常に小さいため(髪の毛の30分の1、スギ花粉の15分の1)、肺の奥深くまで入りやすく、喘息や気管支炎などの呼吸器疾患を引き起こす可能性があります。さらに、肺がんや循環器疾患の誘因にもなります。

2012年12月24日

漢方医学の子どもへの応用

 漢方医学と聞いて、皆さんは何をお考えになるでしょうか。「何となく効きそうだ」という肯定派から、「科学的な裏づけはあるの?」という懐疑派まで、さまざまなイメージがあると推察します。漢方薬は、小児科領域で使用される頻度はまだ高くありませんが、有効性と安全性に関する評価はほぼ固まっています。西洋医学でこれといった切り札がない病気に対して、漢方医学はとても重宝します。西洋医学のアプローチを主軸にしつつ、カバーできない部分を漢方医学で補完する、というのが当院の基本方針です。