2011年7月24日

メディアと上手に付き合おう

 現代の子どもたちは、テレビ、ビデオ・DVD、携帯電話、インターネット、携帯用ゲームなど、多種多様のメディアに取り囲まれて育っています。メディアは便利である反面、子どもの心身の発達を妨げる要素を数多く含んでいます。とくに “メディア漬け” の状態は、子どもにとって “百害あって一利なし” です。メディアとの上手な付き合い方を考えてみましょう。

2011年7月15日

ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン Q&A(改訂第二版)

本年1月に掲載したQ&Aの改訂版をお届けいたします。

<ヒブワクチン = アクトヒブ>
Q1 ヒブ(Hib)とはどんな細菌ですか?
A1 細菌性髄膜炎を起こすことがあります。日本では年間600人がヒブ髄膜炎にかかり、そのうちの20~30人が死亡し、100人以上が重い後遺症(麻痺、けいれん、難聴、知能障害など)を残します。

2011年6月30日

日本脳炎ワクチン Q&A(改訂第九版)

Q1 以前の日本脳炎ワクチン接種の積極的勧奨はなぜ中止されたのですか?
A1 平成16年10月に日本脳炎ワクチンを接種された14歳の女子が、その後に重度の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)を発症し、翌年5月に「日本脳炎ワクチンと関連する可能性がある」と国に認定されたからです。しかし医学的には関連を疑問視する声が圧倒的です。


2011年4月6日

細菌性髄膜炎を防ぐワクチン二種(改訂第七版)

 細菌性髄膜炎を起こす原因菌の80~90%がヒブと肺炎球菌です。ヒブと肺炎球菌を防ぐワクチンは、すでに諸外国では定期接種として広く普及しており、今や細菌性髄膜炎を見る機会はほとんどありません。二次的な効果として、ヒブと肺炎球菌による肺炎や中耳炎など重症疾患の発生も著しく減っています。さらに三次的な効果として、同居するお年寄りの肺炎も著しく減っています。子どもが肺炎にかからないため、お年寄りもうつされることがなくなるからです。一方、日本ではワクチンの認可が遅れていたため、今も年間に約千人の子どもが細菌性髄膜炎にかかり、その四分の一が尊い生命を失ったり重い後遺症に苦しんだりしています。欧米先進諸国に比べ、日本のワクチン政策は約十年から二十年遅れています。その間に救えたはずの生命は数百人にのぼります。近年ようやく厚生労働省は重い腰をあげ、平成20年12月にヒブワクチン(アクトヒブ)、平成22年2月に小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)を認可しました。この二種類のワクチンを接種することで、細菌性髄膜炎の85%は予防できます。

2011年3月25日

乳幼児突然死症候群

 乳幼児突然死症候群(SIDS、シッズと略称されます)をご存知でしょうか。一般にはあまり馴染みのない病名ですが、1歳未満の赤ちゃんを育てているか、お腹の中に赤ちゃんを身ごもっておられる親御さんに、ぜひ知っておいていただきたい病気の一つです。


2011年2月27日

子どもが風邪をひいた時の入浴

 子どもが風邪をひいたら風呂に入れないというのは、長年にわたる「常識」でした。今でも国内の育児書の多くは、風邪の時の入浴をなるべく避けるように指導しています。しかし、風邪をひいた子どもの入浴を禁止することについて、明らかな医学的根拠は存在しません。それどころか、欧米諸国では風邪の時の入浴を積極的に推奨しています。どうして習慣がまったく逆になったのでしょうか。一体どちらが正しいのでしょうか。

2010年11月17日

きれい好きが過ぎるとアレルギー !?

 アレルギー疾患が増えています。最大の原因は環境の変化です。冷暖房完備の密閉式住宅(ダニの増加)、大気汚染、スギの植林政策、動物性蛋白を多くとる食生活は、すでによく知られた原因です。近年、これらの要素とは別に、乳幼児期に非衛生的環境にいたり感染症にかかったりするとアレルギー疾患にかかりにくい(逆にいうと、感染症にかかる機会が少ないとアレルギー疾患を発症しやすい)とする「衛生仮説」が注目を集めています。