食物アレルギーといえば、食物を摂取してから1時間以内に生じる皮膚症状(発赤、蕁麻疹)や呼吸器症状(咳、喘鳴)がよく知られています。即時型反応とよばれます。他方、非即時型反応の一つとして、食物を摂取してから1〜4時間後に消化器症状(嘔吐、下痢)が現れる「食物蛋白誘発胃腸炎症候群(FPIES、エフパイス)」が最近、注目を集めています。以前は稀な疾患とされていましたが、報告数が増えたことにより、2012年から食物アレルギー診断ガイドラインで扱われるようになりました。食物アレルギーとは気づかれにくいFPIESについて解説いたします。