2020年2月24日

新型コロナウイルス感染症への対応(第5報)

 新型コロナウイルスの感染拡大が連日、報じられています。2月24日現在の日本の状況は「感染蔓延期」の直前です。水際対策や封じ込めを狙う時期はもう過ぎました。ウイルス伝達の経路を追えない感染者が増えていますし、それに伴い小児の感染者も増えています。この先「市中感染」として、2〜3ヶ月間の流行が続くと予想されます。このような非常時こそ、冷静を保ち「油断せず、恐れ過ぎず」を心がけるべきで、そのための方策を一緒に考えていきましょう。

 ウイルスをもらわない・広げないために行うべきことは、体調がすぐれない時は朝夕の体温を測る、発熱・咳・倦怠感がある時は無理して登校・登園しない、手洗いを徹底する(公共物に触れた後、自分の鼻・口・目に触れない)、咳エチケットを守る(咳をしている人は必ずマスクを着用する、マスクがない時はタオル・ハンカチ・袖口で口元を押さえる)などです。インフルエンザ対策とまったく変わりません。今後ある程度の流行は避けられないにしても、国民全体の取り組みしだいで流行のピークを低くすることは可能と思います。

 とは言うものの、子どもの集団生活は濃厚接触の連続ですし、子どもは自ら進んで手洗いをしません。子どもの間で流行が発生することも危惧されます。ウイルスをもらわないための最善の策は「手洗いと咳エチケットの徹底」ですので、周囲の大人がしっかり模範を示すことが大切です。子どもに関して現時点で判っている事実は、感染者が少ないこと、感染しても重症者が少ないことです。中国の感染者4万人の分析では、19歳以下の感染者は全体の2.1%、致死率は全体の2.3%に対して10代は0.2%、9歳以下はゼロ、という数字が出ています。致死率の高い中国でこの成績ですから、日本ではこれよりも低い数字になることが予想されます。

 新型コロナウイルス感染症の軽症例に対する治療は、通常の風邪治療と同じです。安静と療養が中心で、症状に応じて解熱剤や鎮咳去痰剤を服用します。大部分は風邪のまま自然治癒しますし、症状がないこともあります。新型コロナウイルスか通常の風邪かを区別することは、一般の医療機関では今のところ出来ません。新型コロナウイルスの迅速診断キットはまだ開発されていません。診断に用いられるPCR法はごく一部の施設だけで実施可能ですし、一日に処理できる検体数は限られています。新型コロナウイルスが気になる時、たとえば (1) 感染者と接触した可能性がある、(2) 発熱・咳などの風邪症状が4日を超える、(3) 経過を見ている最中に呼吸困難や著しい倦怠感に襲われた、などの場合は、一般の医療機関を直接受診せず、帰国者・接触者相談センター(大和市は046-261-2948)に電話して担当者の指示を仰いでください。呼吸器疾患(たとえばコントロール不良の気管支喘息)や免疫不全などを有する子どもは、重症化のリスクが高まりますので、早めの対処が必要です。4日間も待たずに帰国者・接触者相談センターに連絡してください。

 感染蔓延期に入った後の対策の要点は、「感染して発症すると重症化しやすい人を守る」ことにあります。持病を有する子どもは、日常生活の中で無理をしない、風邪症状の変化(悪化)に気をつける、早めに相談する、などを心がけてください。また、重症化のリスクが低い大部分の子どもたちは、「うつす側にならないこと」を意識してください。すべての子どもたちに「絶対にしてほしい二つのこと」は、繰り返しになりますが、手洗いと咳エチケットです。感染防止にも感染拡大防止にも有用です。

 日本環境感染症学会が2月21日に出した声明文は、一般市民の方々にも分かりやすい内容になっています。ぜひご一読の上で適切な行動を取られるようにお願いいたします。
 http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/covid19_mizugiwa_200221.pdf

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