百日咳は、百日咳菌による呼吸器感染症です。生後6ヶ月未満の乳児が百日咳にかかると、無呼吸発作、肺炎、脳症などによって生命が脅かされるため、古来よりワクチンによる制圧が進められてきました。一時期は大幅に減少した百日咳ですが、2005年前後から学齢期以降の感染者が増え始め、乳児への二次感染が懸念される事態に至っています。学齢期以降に百日咳に罹患しても軽症(咳が長引くなど)で済むことがほとんどですが、そのために診断が遅れてワクチン未接種児(主に生後3ヶ月未満)への感染源になり、重症化や死亡に至らしめる危険を生じます。乳児がかかる百日咳の多くは、親や兄姉からの家族内感染です。