2020年2月12日

新型コロナウイルス感染症への対策(第3報)

 新型コロナウイルス感染症に関する最新情報をお届けいたします(2月12日時点)。
・潜伏期は1〜12.5日(平均5.2日)
・感染力は季節性インフルエンザと同等(1人の感染者から1.4〜2.5人に拡散)
・病原性は季節性インフルエンザ相当か、それよりもやや強い。軽症から重症まで幅広いが、軽症者が多い。無症状で終わる場合もある
・症状の特徴は1週間ほど続く風邪症状(微熱、咳、倦怠感)。そのまま治る人と1週間後に呼吸困難を生じて肺炎に進む人がいる。肺炎を発症しても重篤な状態に至るケースは多くないが、高齢者や持病のある人では注意が必要で、日本においても複数名の重症肺炎が報告されている
・中国ばかりで死亡率が高い理由は不明。十分な医療を受けられない、重症者だけが検査診断されている(軽症者は検査を受けられず見逃されている)、などの理由があげられる
・感染経路は飛沫感染と接触感染。空気感染はない

 コロナウイルスは、もともと風邪を起こすウイルスです。4種類のヒト・コロナウイルスが主に冬季に流行し、風邪の原因の10〜15%を占めています。子どもたちにとっては日常的に遭遇するウイルスであり、それなりの免疫を保有していると思われます。コロナウイルスの中には、2002年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)と2012年に発生したMERS(中東呼吸器症候群)もありますが、すでに流行は終息しています。今回の新型コロナウイルスは、SARSやMERSほどの高い病原性はないと見られています。

 コロナウイルスに感染しない、あるいは感染を拡大しないためには、病原体をもらわない、あるいは広げない習慣を身につけることが大切です。インフルエンザへの対策と同じです。インフルエンザでは、手洗い、咳エチケット、十分な休息と睡眠で体調を整えること、そしてワクチンが予防の基本です。新型コロナウイルスにはワクチンがないため、その他の項目をしっかり実践しましょう。予防対策の中心は手洗いです。ウイルスは、手から手へ(または物から手へ)、そしてその手を口や鼻にもっていくことで、人から人に感染します。接触感染の方が飛沫感染よりも大きな意味を持ちます。医療現場では30秒以上の手洗いを原則としていますが、実現可能な数字として15秒以上でもよいでしょう。石鹸をよく泡立たせて、手の隅々まで洗い流すことが大切です。アルコール消毒剤も有効です。咳エチケットは、ウイルスの拡散を防ぐ意味で重要です。正しい咳エチケットは、(1) マスクを着用する、(2) マスクがない時はハンカチやティッシュペーパーで口や鼻を覆う、(3) 間に合わない時は上着の内側や袖で口や鼻を覆う、の三点です。悪い事例は、(1) 咳やくしゃみを手で覆う(その手を介してウイルスが拡散されます)、(2) 何もせずに咳やくしゃみをする(飛沫は2メートル飛びます。その範囲にいる人がウイルスを含んだ飛沫を浴びます)。咳やくしゃみなどの風邪症状がある方は、マスクの着用をお願いします。

 新型コロナウイルスに関して、さまざまな根拠のない風説が語られています。たとえば、「ニンニク、唐辛子、紅茶などが予防に役立つ → 根拠なし」「中国からの手紙や荷物から感染する → 安全」「生理食塩水による鼻うがいは予防に有効 → 根拠なし」。われわれ一人ひとりが冷静に対応しないと、社会的な混乱に加担することになりかねません。信頼できる公的機関によるものかどうかをよく確かめた上で、情報を入手してください。厚生労働省の「新型コロナウイルスに関するQ&A」は有用ですので、サイトを紹介いたします。ご参考になさってください。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html