2004年8月13日

三歳までに良い生活習慣をつけよう

 幼児期(3~4歳まで)は、子が親から生活習慣の基本を学びとる大切な時期です。ここで形成された食習慣や運動習慣は、そのまま学童期、思春期を経て成人期に持ち越されます。しかし、子どもを取り巻く環境を見渡しますと、過保護、飽食・偏食、運動不足、精神的ストレスなど負の要因が横溢し、これらが及ぼす悪影響を憂慮せずにはいられません。いったん身に付いた悪習を後々に是正するのは容易ではなく、幼児期こそ、親は自分の身体だけでなく子の生活に強い関心を持つことが求められます。

 生活習慣の形成にとって好ましくない事例を幾つかあげてみましょう;(1) 親の夜型の生活に付き合わせていませんか? → 就寝も起床も遅くなり、朝食をとれない一日二食のリズムが作られます。幼稚園や学校に通うときに、これが災いの種になることがあります。(2) 子どもの求めるままに間食を与えていませんか? → おやつを食べ過ぎて食事をとれず栄養バランスが偏ったり、おやつも食事もとることでカロリー過多になり肥満を生じる危険があります。また、物事を我慢できない、耐性の乏しい子どもになりがちです。(3) 子守りをビデオやゲームに任せっ放しにしていませんか? → 自分で工夫して遊ぶ才能やコミュニケーションの能力が伸びず、運動不足や視力低下の原因にもなります。子どもは元々遊びの天才なのですから、屋外に出て遊ぶ機会を与えてあげねばなりません。

 生活習慣病としての糖尿病、高血圧、高脂血症などの原因は、遠くさかのぼって幼児期の生活習慣に存在します。ある研究調査では、上記の症状を主徴とする “代謝症候群” の成人30例中28例が成人肥満で、さらに28例中21例が幼児期から肥満であったと報告されています。また、脂肪細胞から分泌される生理活性物質(アディポサイトカイン)の多くが、動脈硬化や糖尿病や心筋梗塞に直接かかわることが科学的に証明されつつあります。良き生活習慣をわが子に伝えるためにどうすればいいか ⋯ 小さい子どもを持つご家族は、この機会によく考えてみてはいかがでしょうか。私共もそのお手伝いをいたします。