2006年5月11日

成育外来の開設に向けて

 当クリニックは、2006年8月以来、毎週土曜午後に「乳幼児健診」「成育外来」を行っています。今回のコラムでは「成育外来」とは何か!? についてご説明いたします。

<子育てを支援します>
子どもの特性は、心身ともに伸び続けることです。体が伸びること(身長、体重、頭囲など)を成長、能力が伸びること(運動、言語、社会性など)を発達とよびます。成長と発達の過程には個人差が大きく、単なる「のんびり屋さん」であって最終的に追い付く子もいれば、病気(あるいは体質)のためにずっと遅れたままの子もいます。成長や発達に関するご家族の心配や悩みを解消するために、私達クリニックのメンバーは共に解決策を考えてまいります。「成育外来」は、子育てに頑張っているご家族に共感し、アドバイスと支援を提供する場所です。

<成長相談 = 体のサイズ(大きい、小さい、太っている、やせ)に関する相談を承ります>
 子どもの大小はさまざまです。個人差の多くは体質によりますが(たとえば親の背が高ければ子も高い)、伸びを妨げる病気が隠れている場合もあります。「まわりの子と比べて極端に小さい」「以前は順調に伸びていたのに最近になって伸びなくなった」「いくら食べても体重があまり増えない」「体重が急激に減った」などでお悩みの方はご相談ください。逆に、「食べすぎて困る」「太りすぎ」「糖尿病が多い家系なので気になる」「生活習慣病の予防法を知りたい」という方もご相談ください。体質、栄養、病気(とくに内分泌疾患)、生活習慣などの各方面からアプローチいたします。

<発達相談 = 能力(遅い? 個性的すぎる?)に関する相談を承ります>
 乳幼児期における発達の個人差は大きく、すべてに早い「おませさん」もいれば、ゆっくり伸びる「のんびり屋さん」もいます。しかし、多くの育児書には平均値しか書かれていないため、その基準から外れているとご家族の不安は大きいでしょう。まして最近では「多動性障害」「自閉症」「軽度精神遅滞」などの情報に接する機会が多いため、「うちの子は発達が遅れているのでは」「なにか障害があるのでは」「親の育て方のせいでは」という漫然とした不安をいだきがちです。「おすわりしない」「上手に歩けない」「言葉が遅い」「視線が合いにくい」「落ち着きがない」「集団行動がとれない」「育てにくい」「家系的な心配がある」などでお悩みの方はどうぞご相談ください。体質、病気(とくに神経疾患)、育児法などの各方面からアプローチいたします。保健福祉センターや専門医療機関との連携も重視しており、状況によっては先方に紹介して共同で支援する場合もあります。